ガイドブック千夜一夜

コンセプト

旅行ガイドブックのイメージは、おおよそ文学的な領域からは遠い位置にあると言えよう。実用的、総華的で、文章としても馬鹿にされがちな性格だ。

旅先への携帯を簡便にするという用途の制約は、ガイドブックをあくまでも二次元の世界に留まらせ、冗長な記述は徹底的に排除を求められる。

しかし、旅行ガイドブックはもっとも読者に活用される文章のひとつである。そして、期待される役割は大きい。二次元の構成から、空間的な三次元の認識をさせねばならない。制約の多い中で文章を組み立てる作業には、尽きない魅力がある。

ところで、一見関連がないような印象を持たれる「WWW川流れ」と本稿は、密接に関連している。勘のいい読者にはもう察しが付いていることだろう。弊サイトで提供している「とるこのととと」は、コンテンツに対するコンセプトはそのままに、新しいWWWという容れ物にガイドブックを収める実験でもある。