WWW川流れ

スパマーとのたたかい

Webサイトを公開されている皆様におかれましては、連日おびただしい件数のスパムメールに悩まされているであろうことをお見舞い申し上げる。このサイトでも昨年の移転まで公開していたメールアドレスには月間500件以上のスパムメールが送りつけられており、必要な電子メールを見失ってしまうなど実害も生じていた。

このような被害への対策として、HTMLファイルに記載する電子メールアドレスを実体参照で書くという方法があり、実践しているWebマスターも時折見られる。「何をやっているのかよくわからん」という場合には、このページのソースを開いてメールアドレスの部分をしばらく眺めてみてほしい。

私がこうした方法を思いついたのは、WWWでトルコ語フォントを表示しようと試みていたときであった。WWWでトルコ語フォントを表示するには、このサイトの多くのページで使っているUTF-8のページとして作成する方法や、shift-jisなどのページに実体参照で記述する方法がある。

実体参照で記述できるのはトルコ語フォントだけではない。試しに電子メールアドレスの記述に使ってみたところ、それなりに満足のゆく効果が得られた。トルコ語を学習していたことが間接的に日常生活の役に立った珍しい事例である。

この方法にはロボットにより新規にアドレスを収集されるのを抑制し、被害の程度をいくらかは「マシ」にする効果がある。しかし、これまで収集されてしまったものを消すことはできないから、新しく公開するアドレスでないとなかなか成果が上がらない。ロボットが推測してアドレスを探してくる場合などにも対抗できない。

また、人手でアドレスを収集している場合にはまるで効果がない(それゆえ通常の電子メールには影響しないのだが)。逆に言えばこのように記載したアドレスにスパムを送ってくる業者はそれ相応の覚悟である可能性が高いから、今後「情報公開」するかもしれない(咳払い)。スパマーとのたたかいに終わりは来るのであろうか。

2003.5.29