WWW川流れ

「成人病」とのたたかい

Webサイトを公開されている皆様におかれましては、日々増殖するファイルの管理に悩まされているであろうことをお見舞い申し上げる。このサイトでもファイルの総数は800程度に達しており、うっかりファイル名を重複させてしまったり「リンク切れ」を発生させるなど実害も生じていた。これらの症状はWebサイトが年月を重ねるにつれ慢性化する。日常的な予防策を怠ると症状が進行してゆく「成人病」的なものである。

このような被害への対策として、「超整理法」に代表されるような時系列的に文書を管理する方法は有効性が高く、応用しているWebマスターも時折見られる。「何をやっているのかよくわからん」という場合には、編集前中後記のページのソースを開いて見出しごとのアンカー部分をしばらく眺めてみてほしい。

私がこうした方法を導入した契機は、撮影したフィルムのデータベース化を試みたことであった。フィルムの整理では撮影データなど「文書」の内容に関する情報やロール単位での分類が重視されがちであるが、実務的には目的の画像をいかに素早く検索できるかが重要である。

時系列的な文書管理を活用できるのはフィルムのデータベース化だけではない。試しに継続的な更新を行う作業に使ってみたところ、それなりに満足のゆく効果が得られた。大量の写真を撮影していたことが間接的に日常生活の役に立った珍しい事例である。

この方法はすべてのデータにユニークな名前を与え、被害の程度をいくらかは「マシ」にする効果がある。しかし、すでにデータベースが作成されている場合には変更作業に多大な労力を要することから、新しく公開するWebサイトや新規に着手するプロジェクトでないとなかなか成果が上がらない。「名前」には内容を示す指標が含まれないから、データ内容を逐一確認する作業も必要になる。

また、空間的にデータを分類する指標も持たないから、地域別の情報を整理する場合にはまるで効果がない。それゆえISO-3166や空港コード、都市コードなどの併用が不可欠になる。逆に言えば、時系列の分類に整理しきれないデータには現代の思考方式の限界を見つけられる可能性もある。「成人病」とのたたかいに終わりは来るのであろうか。

あまり使えないテンプレだわな...。前回は妙に受けたんだけどな。

2003.6.10